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ナスカの地上絵 遊覧飛行の料金・行き方・安全性|2026年8月の墜落事故のあとに知っておくこと

ナスカの地上絵「ハチドリ」

ナスカの地上絵を空から見る遊覧飛行は、ナスカの町の飛行場から30〜35分、料金はおおむね85〜90ドルに空港税30ソルと観光券47ソルが加わります。ただし2026年8月1日、ピスコ空港発の遊覧機が墜落して乗客乗員13人全員が亡くなり、運航会社は停止中、スペイン政府は自国民に「ナスカの遊覧飛行は勧めない」と勧告しています。1997年以来、遊覧飛行の死亡事故は6件、56人が亡くなっています。この記事では、飛ぶ場合の料金と手順、飛ばずに見る展望塔、リマからの行き方、事故の経緯と当局の対応、AI で地上絵が倍増した最近の発見を、ペルー文化省・運航会社の公式サイト・現地報道・山形大学の発表で整理します。

  • 飛ぶならナスカ発の朝。マリア・ライヘ飛行場から7社が1日約70便。基本コースは30〜35分で13の絵を見ます。運航会社は冬(6〜8月)は朝霧で出発が9〜11時にずれると案内しています。
  • 料金は3つに分かれる。飛行代(アラス・ペルアナス公式で30分90ドル)、空港税30ソル(現金)、文化省の観光券47ソル(現金)。2025年1月からピスコ発の客も観光券を払います。
  • 2026年8月の事故で状況が変わった。アエロディアナ社のセスナ208が墜落し13人死亡。同社は調査終了まで運航停止、他社は運航中。スペイン外務省は遊覧飛行を勧めないと明記しています。
  • 飛ばなくても見える。パンアメリカン道路沿いの高さ13mの展望塔から3つの絵が見えます。入場料は数ソル。2024年11月から改修で閉鎖された時期があり、2026年の料金は文化省の料率表で確認してください。
目次

遊覧飛行:発着地・コース・料金

ナスカの地上絵、ハチドリ
遊覧飛行の基本コースで見る「ハチドリ」(写真:PIXTA)
発着地所要料金の例(公式サイト、2026年11月3日確認)備考
ナスカ(マリア・ライヘ飛行場)基本コース30〜35分、13の絵。パルパを含む60分コースもあるアラス・ペルアナス 30分90ドル、60分220ドル。アエロパラカス、アエロナスカは要問い合わせ(季節と機材で変動)離陸時刻は管制塔が天候と交通で決める。1日約70便、7社
ピスコ空港1時間45分〜2時間(往復の移動を含む)アラス・ペルアナス 330ドル、アエロディアナ 380ドル(運航停止中)リマから日帰りで使われてきた発着地。2026年8月の事故後の運航状況は要確認
イカ6時間のツアー(移動込み)アラス・ペルアナス 180ドルワカチナ滞在者向け
  • 飛行代に含まれないお金。空港税30ソル(約8ドル、現地で現金)と、文化省の「地上絵の部分観光券」47ソル(現金、内外国人共通、観光券調整委員会の2021年合意)。ピスコ空港からの客も2025年1月1日から空港内の窓口で47ソルを払います(Panamericana TV)。収入の2割が文化省、残りが周辺自治体に配られます。
  • 予約と支払い。各社とも問い合わせ→決済リンク→支払いで確定(カード・PayPal・Yape)。天候で飛べなければ翌日に振り替えるか、前金の80%を返金する会社があります(アエロナスカ公式)。2〜3日前の予約が勧められています。
  • 体重。小型機なので体重で座席配置を決めます。95kg を超えると追加の座席を買う運用があると案内する会社があり、基準は会社ごとに違います。予約時に申告してください。
  • 時間帯。運航会社は、夏(9〜5月)は6時30分から、冬(6〜8月)は朝霧のため9〜11時からの出発と案内しています。午後は熱で気流が乱れて揺れやすく、光も強いので、午前の便が勧められています(運航会社の案内。公的機関の記述ではありません)。

安全性:事故の記録と、2026年8月の墜落

2026年8月1日午後1時ごろ、ピスコ空港を正午ごろ離陸したアエロディアナ社のセスナ208Bグランドキャラバン(12人乗り)が、ナスカ市プエブロ・ビエホ地区の農地に墜落して炎上し、イタリア人7人、ドイツ人2人、スペイン人2人の乗客11人と、ペルー人の乗員2人の計13人全員が亡くなりました。運輸通信省と民間航空総局(DGAC)はアエロディアナの運航を調査終了まで予防的に停止し、検査官が現地で技術・書類の検査を行っています。原因は独立した航空事故調査委員会(CIAA)が調べています。他社の運航は停止されず、ピスコ空港も通常どおり運用されています(Infobae Perú、RPP、Caretas、Forbes Perú、2026年8月)。

年運航会社死者
1997アエロ・パラカスとアエロ・コンドルの空中衝突12人
2000アクアリナ・デ・アビアシオン13人
2008アエロ・イカ5人
20102件(2月に7人、10月に6人)13人
2015アエロパルカス負傷6人、死者なし
2022アエロ・セルビシオス・サントス7人
2026アエロディアナ13人

現地紙コレオは「29年間で7件、56人が死亡」と集計しています(2026年8月4日)。2022年2月の事故(7人死亡)では機械的故障の兆候が報じられ、通商観光省が運輸通信省と消費者庁に航空観光会社の監督状況の報告を求めました。2026年の事故後、ナスカ商工会議所は遊覧飛行の拠点をナスカに一元化するよう DGAC に求め、ナスカ市は新空港の計画を説明しています。スペイン外務省はペルーの渡航勧告に「ナスカの遊覧飛行は勧めない。使用機材はスペインと同等の整備・安全要件を満たしていない」と書き、2026年11月時点でも有効です(La República、2026年8月3日)。日本の外務省は遊覧飛行に関する個別の勧告を出していません。

飛ぶかどうかは、この記録を知ったうえで判断してください。飛ぶなら、認可を持つ会社か、機材と機齢、保険の有無を予約前に確かめ、朝の便にする、というのが運航会社の案内と報道から言えることです。

飛ばずに見る:展望塔とマリア・ライヘ博物館

  • 展望塔(トーレ・ミラドール)。パンアメリカン道路南線の424km地点付近にある高さ13mの金属の塔で、文化省の有料施設。3つの絵が見えます。開場は8時〜17時30分(PromPerú)。2024年11月6日から通商観光省の改修工事で閉鎖された時期があり、入場料は文化省の2026年料率表(大臣決議111-2026-MC)で改定されています。過去の報道では一般4ソル、学生2ソル、未成年1ソルでした(要確認)。
  • 自然の展望台。426.4km地点の岩の丘で、2020年に整備されました。
  • マリア・ライヘ博物館。421km地点付近、地上絵の研究と保護に生涯をささげたドイツ人数学者の家が博物館になっています。ナスカの町から展望塔と博物館を回るタクシーのツアーは50ソルほど(El Comercio、2022年)。
  • パンパには入れない。地上絵のある平原は立ち入り禁止で、文化財保護法の制裁は最大1,000 UIT。2018年に無許可で進入したトラックが3つの絵を傷つけ、運転手が刑事告発されました。2014年の環境団体の無断立ち入りも有罪になっています。

リマからの行き方

  • バスで6〜8時間。リマからナスカは約400kmで、クルス・デル・スルなどの長距離バスが毎日走っています。クルス・デル・スルのナスカのターミナルはリマ通りとサン・マルティン通りの角、6時〜22時営業(公式)。運賃は会社と等級で幅があり、2022年の報道では最安45ソルでした。
  • イカ・ワカチナ経由。リマからイカまで約4時間、イカからナスカまで約2時間(PromPerú)。ワカチナ発の乗合シャトルは朝7時30分発・11時着で、飛行に接続します。
  • リマ発の日帰り。ピスコ空港まで車で行き、ピスコ発の2時間の飛行で戻る形が売られてきました。2026年8月の事故後、ピスコ発の運航状況は会社ごとに確かめてください。
  • クスコ・アレキパへ。ナスカからアレキパへは夜行バスで9〜10時間、クスコへは14〜15時間が目安です(予約サイトの表示。公式の時刻は要確認)。マチュピチュと組み合わせる南米周遊の途中に寄る人が多い場所です。

AI で地上絵が倍増した:2024〜2025年の発見

山形大学ナスカ研究所と IBM 研究所は、AI で航空写真から候補を抽出し、6か月の現地調査で2024年9月に303点の具象的な地上絵を新たに確認しました(米国科学アカデミー紀要)。それまで知られていた430点がほぼ倍になり、発見の速度は16倍になりました。大型の「線タイプ」は野生動物が主で共同体の儀礼用、小型の「面タイプ」は人や家畜、首級が主で小道沿いにあり、個人や小集団の「掲示板」だったとみられます。2025年7月には大阪・関西万博のペルー館で、さらに248点の発見が発表され、具象的な地上絵は893点になりました(山形大学)。この論文は2025年に米国科学アカデミーのコッツァレリ賞を受けています。

保護の面では、文化省が2025年5月に保護区を5,633km²から3,236km²へ約42%縮小する決定を出し、違法採掘を広げるとの批判を受けて6月に撤回しました。縮小後の5日間で60件を超える鉱業権の申請が出ていたと報じられています(RPP、Correo)。会計検査院は2025年12月、雨水で一部の絵が損傷し、監視不足でごみや無許可の車両が入っていると指摘しました。

予約のしかた

① 現地ツアー(遊覧飛行・展望塔)

遊覧飛行は運航会社に直接か、予約サイトで。予約サイトのプランは空港税と観光券が別払いのことが多いので、総額を確かめてください。

現地ツアーを予約サイトで探す

② 航空券(日本〜リマ)

経路と安い時期はペルー・ボリビア航空券の記事にまとめています。

航空券を予約サイトで探す

③ ホテル(ナスカ・イカ)

朝一番の便に乗るならナスカ泊。ワカチナの砂丘と組み合わせるならイカ泊です。

ホテルを予約サイトで探す

④ 日本発の添乗員付きツアー

ペルー周遊の添乗員付きツアーにはナスカの遊覧飛行を含むものがあります。目利き旅のペルーのツアー比較ページで、日数と予算から比べられます。

行く前に必ず確認すること

  • 外務省の危険情報。ペルー(2026年3月31日更新)でイカ州・ナスカはレベル1「十分注意してください」。主要観光地としてナスカも名指しで、外国人旅行者を狙った銃器を使った強盗やスリが頻発していると書かれています。出発前に外務省 海外安全ホームページで最新の情報を確認してください。
  • 運航会社の状況。2026年8月の事故の調査結果と、アエロディアナの停止解除、ピスコ発の運航再開は未確認です。予約前に運航会社と現地報道で確かめてください。
  • 天候による欠航。強風や砂嵐で管制が遊覧飛行を止めることがあります(2025年8月に実例)。翌日に飛べるよう、ナスカに1泊の余裕を持つと安心です。
  • 現金。空港税と観光券はソルの現金です。
  • 酔い止め。小型機は旋回を繰り返します。朝食は軽くし、酔いやすい人は薬を用意してください。

出典

トップの写真:Diego Delso / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

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