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家族が墓地で夜を明かす、オレンジ色の死者の祭り|メキシコ各地の死者の日(11月1〜2日)

マリーゴールドとろうそくで飾られた、死者の日の祭壇(メキシコシティのソカロ)

墓地がオレンジ色の花とろうそくで埋まる夜。メキシコでは、亡くなった家族が「帰ってくる」日です。

  • 日にち:11月1日は亡くなった子ども、11月2日は大人の魂が帰る日とされます。10月末から準備が始まります
  • ユネスコ無形文化遺産:「死者に捧げる先住民の祭り」として2003年に宣言、2008年に一覧に記載
  • 主な見どころ:メキシコシティの大パレード、オアハカの仮装行列(コンパルサ)、ミチョアカン州パツクアロ湖の島ハニッツィオ
  • ありえない数字:祭壇を飾るマリーゴールド(センパスーチル)は、国内で年に約2万3,000トン生産
目次

ここがありえない|死者を迎える日が、いちばんにぎやか

ユネスコの説明では、この祭りはトウモロコシの一年の終わりにあたる10月末から11月初めに行われます。家族は亡くなった人の好物を丁寧に作り、家の祭壇とお墓に供えます。家から墓地までの道には花びらをまき、ろうそくを灯して、魂が迷わず帰れるようにします(ユネスコ無形文化遺産、2008年記載)。

日本のお盆に似ていますが、雰囲気はまるで違います。2026年のメキシコシティの大パレードには4,000人を超える参加者、12台の山車、2つの巨大な風船、14の市民グループが出ると報じられました。中央広場ソカロには、高さ約32mの張り子のカトリーナ(ドレス姿のがいこつの貴婦人)が立ちます(Publimetro、2026年10月)。

プエブラ州ウアケチュラの巨大な死者の日の祭壇
写真:Edson2k / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

現地ではどう説明されているか

魂は日ごとに、順番に帰ってくる

メキシコの観光省などをもとにした報道では、地域によって違いはあるものの、10月27日はペット、28日は事故などで亡くなった人、30日は家族のいない忘れられた魂、11月1日は亡くなった子ども(アンジェリートス)、11月2日は主に大人の魂が帰る日とされています。国立人類学歴史研究所(INAH)は、11月1〜2日に間に合うよう10月の最後の数日で祭壇を準備するのがふつうだと説明しています(La Crónica de Hoy、2026年10月)。

祭壇(オフレンダ)とマリーゴールド

国立先住民族研究所(INPI)の説明を紹介した記事によると、祭壇の水は長い旅でのどが渇いた魂のため、塩は清めのため、ろうそくの火は魂を家へ導く光です。コーパル(樹脂のお香)は、スペイン人が来る前から神々に捧げられてきたもので、場を清めるとされます。写真は、誰の魂を迎えるかを示します(UnoTV、2024年10月)。

オレンジ色の花センパスーチル(Tagetes erecta、マリーゴールドの仲間)の名前は、ナワトル語の「20」と「花」から。色と香りで、亡くなった家族が「光の道」を見つけて帰れるよう、昔から品種が選ばれてきたと説明されています。全国の生産は2023年に2万1,000トンでした(Ciencia UNAM、2024年10月)。農業省は年に約2万3,000トンとしており、メキシコシティのソチミルコでは9〜10月に収穫されます(La Jornada、2025年10月)。

2026年の各地の日程

メキシコシティ:大パレードは10月31日(土)14時から。ディアナ・カサドーラの噴水を出て、レフォルマ通りなどを通り、ソカロまで進みます(Fox Sports México、2026年10月)。ソカロの巨大な祭壇は、公開を「10月30日〜11月2日」とする報道(Publimetro)と「10月29日〜11月2日」とする報道(adn40)があります。市の南東のミスキックでは10月31日〜11月2日に祭りがあり、2日の夜はろうそくを灯す「ラ・アルンブラダ」です(adn40、2026年9月)。なお2026年はサッカーのワールドカップに合わせ、6月13日にも死者の日をテーマにした行列を行うと発表されていました(La Crónica de Hoy、2026年6月)。

オアハカ:オアハカ市では10月30日18時半に子どもの仮装行列、31日18時から「死者の日の大コンパルサ」が八つの地方の噴水(Fuente de las Ocho Regiones)から旧市街へ向かいます。交通規制があるので移動は早めにと伝えられています(NVI Noticias、2026年10月)。州のプログラムは10月26日〜11月3日で、ソチミルコ地区、サン・フェリペ・デル・アグア、サンタ・クルス・ショショコトランの墓地では家族への敬意を求めています(México Desconocido(広告記事)、2026年10月)。

ミチョアカン州パツクアロ湖:湖の島ハニッツィオの墓地は、2026年は観光客が入れません。墓地の横の斜面が崩れ、補修工事をしているためです。報道は「11月1日と2日」(La Crónica de Hoy、2026年10月22日)と「11月2日、初めての措置」(adn40、2026年10月26日)で分かれています。島の家族は入ることができ、観光客は遊歩道や展望台から見る形です。島では大きな祭壇や、「マリポサ(蝶)」と呼ばれる伝統の舟を使った漁の披露もあります。湖のウランデン島では伝統の小舟で回る「魂の道」、サンタ・フェ・デ・ラ・ラグーナでは10月30日から家々の祭壇が公開されます(La Crónica de Hoy、2026年10月22日)。

観光客のふるまいへの苦情

2023年には、ミチョアカン州の住民や先住民の団体が、観光客のふるまいに苦情を出しました。墓地の入口で酒を飲む、祭壇やお墓を踏む、家族と過ごすためではなくSNS用の写真を撮るために来る、といった内容です。先住民の団体は、プレペチャ(この地方の先住民)の夜通しのお参りを尊重するよう呼びかけました(Excélsior、2023年11月)。メキシコシティの公式ガイドも、ミスキックでは早めに着くこと、写真の前に許可を求めること、墓地では敬意をもってふるまうことを勧めています(adn40、2026年9月)。

日本人ならこう楽しむ(編集部の提案)

  • 都会のパレードと、村の墓地を分けて考える。メキシコシティのパレードやソカロの祭壇は「見せるための催し」で、気軽に楽しめます。墓地は家族がお参りする場所。見学させてもらう気持ちで行きましょう
  • 人や墓を撮る前にひと声。「¿Puedo tomar una foto?(写真を撮ってもいいですか)」と聞き、断られたら撮らない。フラッシュは使わず、祭壇やお墓には乗らない、触らないが基本です
  • 夜の墓地は暗い。夜は冷えることもあります。上着、歩きやすい靴、小さなライトを。お墓のあいだの通路は狭く、ろうそくの火にも気をつけてください
  • 宿は早めに押さえる。2023年、ミチョアカン州はこの時期に約28万4,000人の観光客を見込んでいました(Excélsior、2023年11月)。来年行くなら、夏までに宿と移動を決めておくと安心です
  • カトリーナの仮装は、パレードの日に。メキシコシティでは10月にカトリーナの仮装行列も開かれます(adn40、2026年9月)。墓地では派手な仮装より落ち着いた服装のほうが場に合います
  • 祭壇のパンを味わう。パンは祭壇でいちばん大切にされる供え物の一つです(UnoTV、2024年10月)。町のパン屋で、この時期のパンを探してみましょう

度胸メーター・費用・時間の目安(編集部の目安)

度胸★★☆☆☆ がいこつだらけだが、怖さより明るさ。夜の墓地に入る心構えは必要
料金パレードやソカロの祭壇は無料で見られます(adn40、2026年9月)。ハニッツィオへの日帰りツアーは Civitatis で53.55米ドルから、島への舟代100ペソは別(2026年10月時点)
時期10月末〜11月2日。2026年のメキシコシティのパレードは10月31日(Publimetro、2026年10月)
所要時間パレード見物は半日。墓地の夜のお参りの見学は夜から深夜まで
あると良いもの上着、小さなライト、歩きやすい靴、小銭のペソ

ここに行くには

① 自分で行く

  • メキシコシティ:パレードは市の中心部。ミスキックは市の南東のトラワク区にあります。Civitatis に、ミスキックの死者の日を見に行くツアーが出ています
  • オアハカ:メキシコシティから飛行機で約1時間、バスで6時間半〜8時間半ほど。GetYourGuide に、オアハカの死者の日の体験ツアーが出ています
  • パツクアロ:州都モレリアのバスターミナルからバスで約45分、車で約1時間(México Desconocido)。Civitatis にモレリア発のハニッツィオ8時間ツアーがあります
  • 現地ツアーの有無と内容は、2026年10月時点で確認したものです。申し込み前に各サイトで日程を確かめてください

航空券を予約サイトで探す

あわせて読みたい:メキシコ航空券が安い時期と相場 / メキシコシティのどこに泊まるか(エリア別の治安と宿代) / 中南米旅行のスマホ通信(eSIM・現地SIM・WiFi)

② 現地ツアーを使う

日帰りの現地ツアーは、日本語か英語の予約サイトで事前に押さえておくと、着いてから探す手間が省けます。

現地ツアーを予約サイトで探す

③ 日本発のツアーで行く

死者の日に合わせた日本発の添乗員付きツアーがあります。目利き旅のメキシコのページでは、日数別の一覧に「死者の日」と入ったツアーをまとめています。2026年10月時点では、2027年10月末出発の6日間・8日間のコースが載っていました。どの町で死者の日を過ごすかはコースごとに違うので、日程表で確かめてください。ハニッツィオやオアハカの墓地に夜行く日本発のツアーは、見つかりませんでした(2026年10月時点)。

④ 予算と日数の例

メキシコシティだけなら6〜7日間。パレード(10月31日前後)と、ソカロの祭壇やミスキックの夜を見られます。オアハカかパツクアロを加えるなら8〜10日間。11月1〜2日をどちらか一つの町で過ごし、前後をメキシコシティにあてると、移動の無理がありません(編集部の目安)。

行く前に必ず確認すること

  • 外務省の危険情報(2026年4月8日更新)では、ミチョアカン州は大部分がレベル2(不要不急の渡航は止めてください)です。レベル1(十分注意してください)なのは、モレリア市、パツクアロ市とその周辺、ラサロ・カルデナス市、アンガンゲオ市とその周辺だけです。それ以外の町(ウルアパンなど)はレベル2に入ります。モレリアへ陸路で行くときは、昼間に有料高速道路15号線を使うよう勧めています(外務省 海外安全ホームページ メキシコの危険情報)
  • 2025年11月1日、ミチョアカン州ウルアパン市の中央広場で、死者の日の「ろうそく祭り」の点灯の直後に市長が撃たれて亡くなりました(N+、2025年11月)。祭りの場でも安全とは限りません
  • オアハカ州とメキシコシティはレベル1です。オアハカ州では道路の封鎖がたびたびあり、夜行の長距離バスは避けるよう書かれています。メキシコシティのテピート地区には立ち入らないよう求めています(同上)
  • ハニッツィオの墓地は2026年、観光客が入れません。来年以降は、出発前に州や市の発表を確かめてください
  • パレードや墓地は大変混み合います。スリに注意し、貴重品は最小限に
  • 治安の情報は、出発前に外務省 海外安全ホームページで最新の情報を確認してください。

友達に話したくなる一言

「メキシコのお盆は、ペットの魂が先に帰ってくる日まであるんだって」

メキシコシティで見る場合の宿のエリアと空港からの行き方は「メキシコシティどこに泊まる?エリア別の治安・宿代と空港からの行き方」にまとめています。

出典

トップの写真:FridaArriaga / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

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