湖なのに、青が7段。底にいるのは、地球でいちばん古い生き物の仲間です。
- 場所はメキシコ・キンタナ・ロー州のバカラル。州都チェトゥマルの空港から約40km、車で35〜40分です
- 呼び名は「7色の湖(Laguna de los Siete Colores)」。長さは約42km。ベリーズの国境から約40kmの場所にあります
- 湖の岸には「ストロマトライト(微生物の岩)」があります。年に約1mmしか育たず、9,000年を超えるものもあると説明されています
- 2026年4月の報道では、毎週水曜日に観光の船を止めています。湖を休ませるためです
ここがありえない|岩が、生きている
バカラル湖の水は、岸から沖へ、水色から濃い紺へと何段にも色が変わります。州の観光局は、この色の帯を「水の深さ」と「白い石灰岩の底が日の光を返すこと」で説明しています(メキシカン・カリビアン観光局、2024年9月)。
もっとありえないのは、岸の「岩」です。メキシコ国立自治大学(UNAM)は、湖の微生物の岩(微生物岩。ストロマトライトはその一種)が年に約1mmずつ育ち、年齢は数十年から9,000年を超えるものまであると伝えています。ひとつの岩に約8,000種の微生物がいるとも説明しています(UNAM Global、2025年4月)。
同じ仲間の化石は、UNAMの記事では最古で39億年前、研究者が寄稿した雑誌ネクソスの記事では37億年前とされています。数字は情報源で違いますが、地球に酸素を増やした生き物の、今も生きている子孫だという点は同じです(Nexos、2022年5月)。

現地ではどう説明されているか
7色の理由
UNAMは色の違いを「水の深さと日の光」で説明しています(UNAM Global、2025年4月)。ネクソスの記事は、深さに加えて「砂の浅瀬の動き」と「空や雲の映り込み」も挙げています(Nexos、2022年5月)。湖の中には深い穴(セノーテ)もあり、セノーテ・ネグロ(ラ・ブルハ)は深さ90m以上、直径130mと紹介されています。黒に近い青に見えるのはそのためです(México Desconocido、2024年5月)。
色が消えた年がある
2020年7月、UNAMの研究者の調査として、湖が7色を失い緑や茶色に変わりつつあると報じられました。原因として、プランクトンが増えたこと、窒素やリンが流れ込んだこと、規制のない宿の建設、下水の処理不足、農地の肥料が挙げられています。観光客は年に数十人から14万人超に増えたとも書かれています(Ruptura360、2020年7月)。
2022年6月には、雨季の最初の雨で水が茶色と緑になり、観光の中心の場所まで色が変わったと伝えられました。2020年6月の熱帯低気圧クリストバルで約30kmのマングローブが壊れ、土や農薬を止める役目が弱まったと説明されています(El Financiero/EFE、2022年6月)。
最近の報道では、2025年7月に大雨で赤土が流れ込み、岸から30〜40mほどの色が変わりました。地元の業者は「3〜4日で元に戻った」と話しています(Heraldo de México、2025年7月)。UNAMは2025年4月の記事で、ユカタン半島の高い気温で藻が急に増え、水の色を変えていると説明しています(UNAM Global、2025年4月)。
日焼け止めと、立ち入りの決まり
人気の泳ぎ場ロス・ラピドスについて、地元メディアは「ストロマトライトはどんな理由でも踏んではいけない」「日焼け止めと虫よけは使わない」「食べ物・飲み物・クーラーボックスは持ち込まない」と紹介しています(Ruptura360、2021年5月)。別の案内では「使えるのは生分解性の日焼け止めだけ」「触らない・乗らない・座らない。カヤックのパドルを当てない」とされています(México Desconocido、2023年12月更新)。州の観光局は、生分解性の日焼け止めも「少しだけ、できれば使わない」ことと、海賊の水路(カナル・デ・ロス・ピラタス)の泥を肌に塗らないことを呼びかけています(メキシカン・カリビアン観光局、2024年9月)。
船の決まりも厳しくなっています。2025年には海軍の港湾当局が航行の規則を定め、ストロマトライトのある区域では航行・遊泳・接触をすべて禁止。ロス・ラピドスにはモーター船もヨットも入れません(Riviera Maya News、2025年9月)。さらにバカラル町は毎週水曜日に観光の船を止める取り組み「湖に一息を」を始め、2026年の観光の賞(持続可能性の部門)で1位になりました(Quadratín México、2026年4月)。
日本人ならこう楽しむ(編集部の提案)
- 色を見るなら、晴れた日の昼前後。色は深さと日の光で決まると説明されているので、日が高い時間がねらい目です。雨のあとは岸近くが濁ることがあります
- 船に乗るなら水曜日を避ける。2026年は水曜日に観光の船を止めています。日程を組むときに、船の日と泳ぐ日を分けると無駄がありません
- 日焼け止めは塗らずに、ラッシュガードと帽子。ロス・ラピドスでは日焼け止めを使わないよう案内されています。長袖の水着と帽子で日差しを防ぎましょう
- 岩に見えたら、それは生き物。岸の白っぽい岩に座ったり、荷物を置いたりしないこと。木の桟橋から水に入るのが基本です
- 雨季より乾季。大雨のあとに色が変わった報道が続いています(2020年・2022年・2025年)。色を確実に見たい人は、雨の多い時期を避けると安心です
度胸メーター・費用・時間の目安(編集部の目安)
| 度胸 | ★☆☆☆☆ 浅瀬で泳げれば十分。泳げない人はライフジャケットで |
|---|---|
| 料金 | 湖の船のグループツアー 1人800〜1,500ペソ、ロス・ラピドスの入場 約150ペソ、セノーテ・アスル 50〜100ペソ(Mexico Travel and Leisure、2026年4月) |
| 時期 | 通年。大雨のあとは色が濁ることがある。水曜日は観光の船が出ない(2026年) |
| 所要時間 | 船で湖をめぐって半日、ロス・ラピドスで半日。カンクンからの日帰りツアーは約13時間 |
| 持ち物 | ラッシュガード、帽子、水着、サンダル、現金のペソ |
ここに行くには
① 自分で行く
- 拠点はバカラルの町。湖の西の岸にあり、宿も船の店もここに集まっています
- チェトゥマルの空港から:約40km。タクシーで約36分・170〜210ペソ、ADOのバスで約1時間・約107ペソ(いったんチェトゥマルのバスターミナルへ)(Ruptura360、2024年11月)
- カンクンから:道のりは約346km。ADOのバスで「3.5〜4時間・330〜380ペソ」とする案内(Mexico Travel and Leisure、2026年4月)と、「バスだけで5時間20分〜5時間45分・540ペソ」とする案内(GeckoRoutes)があり、食い違っています。乗る前にADOの時刻表で確かめてください
- 現地ツアー:Civitatis にカンクン発の日帰りツアーが出ています。掲載では約13時間・1人108.55米ドルで、自然保護区の税450ペソ、保全料200ペソ、桟橋の税200ペソは別払いとされています(2026年10月時点)
航空券を予約サイトで探す
- Expedia:
エクスペディアで航空券を探す【Expedia】(航空券+ホテルの同時予約で安くなることがある)
- skyticket:
skyticketで海外航空券を比較する【スカイチケット】(複数の航空会社・経路をまとめて比べられる)
- エアトリ:海外航空券+ホテルがお得!<エアトリ>
(日本の会社。日本語サポートで予約したい人向け)
ホテルを予約サイトで探す
- Expedia:
エクスペディアでカンクンのホテルを探す【Expedia】(キャンセル無料のプランで絞り込める)
- Hotels.com:
Hotels.comでホテルを探す【ホテルズドットコム】(10泊で1泊無料の特典がある)
あわせて読みたい:カンクン・トゥルム発セノーテツアーの選び方 / カンクンの年末年始の費用とホテルの選び方 / メキシコ航空券が安い時期と相場 / 中南米旅行のスマホ通信(eSIM・現地SIM・WiFi)
あわせて読みたい:チチェン・イッツァの行き方・入場料・ツアー(カンクンから個人で)
② 現地ツアーを使う
日帰りの現地ツアーは、日本語か英語の予約サイトで事前に押さえておくと、着いてから探す手間が省けます。
現地ツアーを予約サイトで探す
- VELTRA:現地オプショナルツアー予約&観光旅行【VELTRA-ベルトラ】
(日本語ガイドのツアーを探しやすい) - KKday:現地プランはKKdayで検索!【KKday】
(割引クーポンが出ることがある) - Klook:
Klookで現地ツアー・入場券を探す【Klook】(遺跡や美術館の入場券も一緒に取れる)
③ 日本発のツアーで行く
日本の旅行会社の添乗員付きツアーで、バカラル湖に寄るものは見つかりませんでした(2026年10月時点)。チェトゥマルやカンクンを回る中米周遊のツアーはあるので、メキシコのツアーは目利き旅のメキシコのページで比べられます。バカラル湖に寄るかどうかは、各社の日程で確かめてください。
④ 予算と日数の例
日本からはメキシコシティかアメリカで乗り継いで、カンクンかチェトゥマルへ。カンクンの滞在に日帰りツアーを足すなら、全体で6〜7日。バカラルに2泊して船と泳ぎを分けるなら、7〜8日あると落ち着いて回れます(編集部の目安)。
行く前に必ず確認すること
- 外務省の危険情報では、キンタナ・ロー州はレベル1(十分注意してください)です(2026年4月8日発出)。カンクンでは犯罪組織どうしの抗争で過去にホテルやビーチで銃撃があったこと、タクシーやツアーの不正な請求があることが書かれています(外務省 海外安全ホームページ メキシコの危険情報)
- 水曜日は観光の船が止まります(2026年4月の報道)。船のツアーを予約するときは曜日を確かめてください
- ストロマトライトのある区域は、航行も遊泳も禁止です。ブイで囲まれた場所には入らないでください
- 大雨のあとは岸近くの水が濁ることがあります。色を楽しみにしているなら、直前の天気と現地の報道を見ておきましょう
- ロス・ラピドスは流れが速い場所があります。泳ぎに自信がなければライフジャケットを着てください
- 治安の情報は、出発前に外務省 海外安全ホームページで最新の情報を確認してください。
友達に話したくなる一言
「メキシコに青が7段の湖があって、岸の岩が9,000年生きてる微生物なんだって。だから日焼け止めは塗っちゃダメ」
年末年始にカンクンへ行くなら、カンクンの年末年始2026-27|費用の目安とオールインクルーシブの選び方も読んでください。日本からの経路と日数、航空券・ホテル・現地ツアーの費用の目安、海藻(サルガッソ)と寒波の注意をまとめています。
出典
- UNAM Global(メキシコ国立自治大学)、2025年4月
- Nexos(UNAMほかの研究者の寄稿)、2022年5月
- メキシカン・カリビアン観光局(キンタナ・ロー州)、2024年9月
- México Desconocido(セノーテ・ラ・ブルハ)、2024年5月
- México Desconocido(ロス・ラピドス)、2023年12月更新
- Ruptura360(UNAMの調査)、2020年7月
- Ruptura360(ロス・ラピドス)、2021年5月
- Ruptura360(チェトゥマル空港から)、2024年11月
- El Financiero/EFE、2022年6月4日
- Heraldo de México(キンタナ・ロー版)、2025年7月9日
- Quadratín México、2026年4月28日
- Riviera Maya News(港湾当局の航行の区域)、2025年9月5日
- Mexico Travel and Leisure、2026年4月20日
- GeckoRoutes(カンクンからバカラル)
- 外務省 海外安全ホームページ メキシコの危険情報、2026年4月8日
トップの写真:Bernard DUPONT / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)
